― 行動が自信を育てる理由

「もう少し自信がついたら、やってみようと思います。」
さまざまな方とお話をしていると、そんな言葉を耳にすることがあります。
もう少し準備ができたら。
もう少し経験を積んだら。
もう少し不安がなくなったら。
そう思うのは、とても自然なことです。
でも、お話を聴きながら、ときどきこんなことを思います。
自信がついたから動けるのか。
動いてみるから、自信がついていくのか。
以前、ある方とお話をしていたときのことです。
「興味はあるんです。でも、自分にできるかどうか……。」
そんな言葉がありました。
「まずは少し調べてみるところからでもいいのでは。」
そんな話をしました。
しばらくしてお会いすると、「実は、詳しい人に話を聞いてみました。」
その後、
「思っていたものとは少し違いました。でも、そこから別のことに興味が出てきました。」と話してくださいました。
最初に思い描いていた方向とは、少し変わっています。でも、その表情は以前より明るく見えました。
このような場面に出会うたびに感じます。
最初に決めた道を、そのまま進むことだけが前進ではないのだと。
やってみて、「少し違うな。」と感じたら、方向を変えてみる。
うまくいかなかったら、「では、別のやり方はないだろうか。」と考えてみる。
そして、
すぐに結果が出なくても、もう少し続けてみる。
そんなしなやかさが、次の可能性を連れてくることがあります。
仕事やキャリアには、予定していなかった出来事も起こります。
突然、仕事を任された。
思いがけない人と出会った。
希望していた仕事とは違う役割になった。
やってみたことが、思ったようにいかなかった。
その瞬間だけを見れば、「予定と違う。」と思うかもしれません。
でも、
「ここから何かにつながるかもしれない。」と少し見方を変えてみる。
すると、思いがけない経験が、次の一歩につながることがあります。
私自身も振り返ってみると、最初から今につながる道が見えていたわけではありません。
人との出会いがあり、声をかけていただき、「ちょっとやってみようかな。」
と動いてみる。
思うようにいかなければ、やり方を変える。
それでも興味があれば、もう少し続けてみる。
そんなことの繰り返しでした。
振り返って初めて、「あの経験が、ここにつながっていたのか。」
と気づくことがあります。
未来を考えるとき、私たちはつい、「正しい道を選ばなければ。」
と考えてしまいます。
でも、未来は予定通りに進むことばかりではありません。
だからこそ、ちょっと面白そうと思ったら、近づいてみる。
うまくいかなければ、やり方を変えてみる。すぐに諦めず、もう少し続けてみる。
予定外のことが起きたら、「これも何かのきっかけかもしれない」と捉えてみる。
ときには、少し勇気を出して、やったことのないことに一歩踏み出してみる。
そんな一つひとつの行動が、まだ見えていない可能性を広げていくのだと思います。
自信は、「できる」と思えるようになってから動くことで生まれるものではなく、
「やってみた。」
「少しできた。」
「違ったから変えてみた。」そんな経験を重ねる中で、
あとから少しずつ育っていくものなのかもしれません。
大きな一歩でなくてもいい。
今日、少し気になったことを調べてみる。
誰かに話を聞いてみる。
いつもとは違うことを、一つ試してみる。
その小さな一歩が、
思いもしなかった出会いや経験につながることがあります。
そして、いつか振り返ったとき、
「あのとき、ちょっと動いてみて良かったな。」
そう思える日が来るのかもしれません。
未来は、すべてを決めてから歩き始めるものではなく、
歩きながら出会い、考え、ときには方向を変えながら、少しずつつくられていくものなのだと思います。
次回
一歩踏み出してみると、
思い描いていた道とは違うところへ進むことがあります。
でも、その「遠回り」は、本当に遠回りなのでしょうか。
「遠回りに見える経験にも、意味がある」
― キャリアは一直線ではない
をテーマに、一見つながっていないように見える経験が、後になって自分の力になっていくことについて、
少し立ち止まって見ていきたいと思います。